「ここで隠れてましょうか」
たどりついたのは、人影のない体育館裏。
「なんで……」
こんなふうに逃げ出して、見つかったらペナルティになるかもしれないのに。
俺は来年普通科に行くけど、こいつは新しいパートナーを見つけて結婚科に残るだろうし、そうなったら今からポイント集めに尽力する必要がある。
「汐くん、ゲーム参加するの嫌でしょう?」
だからって……お前もポイント獲得できなくなるんだぞ?
こいつだってそれは、わかってるはずなのに……。
「いいのか……?」
「はい! 終わったら、こっそり戻りましょう!」
にっこりと微笑んだ水月に、一瞬心臓が掴まれたような衝撃が走った。
本当に、変な女……。
だけど……今回は正直、助かった……。