七海学園高校。
俺が入った高校には、とんでもない制度があった。
「今日は先輩も後輩もいない君達のために私達が新入生歓迎会を企画しましたー!」
体育館に集合という命令に従うと、また意味がわからない企画が始まった。
「それじゃあスタート!」
その号令を合図に、他の生徒たちが動き出す。
こんなゲームに参加するつもりはないが、完全に無視するわけにはいかない。ペナルティを食らったら、水月の成績にも影響する。
正直、女には近寄ることさえしたくないけど……ちゃちゃっと1個割って、終わらせればいいか……。
そう、覚悟を決めた時だった。
「う、汐くん!こっちです!」
水月が、俺に触れないようにか服の袖を掴んだ。
「は?」
「来てください……!」
引っ張られるまま、水月についていく。