「ほんとだ。目の下に隈ができてるね……大丈夫?」

初対面なのに心配してくれるなんて……いい人だっ……。

「うん……!もう平気!」

「俺は青岬奏多。同じクラスだから、これからよろしく」

「こ、こちらこそ!」

うっ……王子様スマイルだ……キラキラしてる……。

寝起きには眩しすぎる笑顔を前に、思わず目を瞑ってしまった。

「愛ちゃんって呼んでもいい? 俺のことも、よかったら奏多って呼んでほしい」

「うん!もちろん!」

そんな会話を交わしている時、視界の端でだるそうに教室に入ってくる人物の姿が見えた。

あ……汐くん……。

自分の席に座っている奏多くんに気づいたのか、不快そうに眉間にシワを寄せていた。