【完】溺愛×運命論

「汐くんは悪くないですよ」

運命の人と出会えるって期待してこの学園に入ったから、ショックだけど……それは期待しすぎた自分のせいでもあるから。

「それに、女の子が苦手なのにこんなことになって汐くんの方が戸惑ってますよね」

「……」

「できるだけ近づかないって約束します!だから……今日から来年まで、よろしくお願いします!」

そう言うと、汐くんは私からフイッと視線を逸らした。

あ、あれ?やっぱり嫌われたかな……あはは……。

とにかく、何事もなく一年間をやりすごそう……!

とりあえずその日はお互いに荷解きをして、会話もないまま眠りについた。