【完】溺愛×運命論

「わかりました」

「……は?」

「知らなかったなら仕方ないですよね」

汐くんを責めるのは間違っているし、今回は運命の出会いではなかったと思って諦めよう。

「汐くんはこれからどうしますか?」

「どうするって……普通科に編入する。さすがにこの学園をやめるわけにはいかない。制服も揃えたし。編入は2年に進級するタイミングでしかできないみたいだけどな」

「そうみたいですね。それまでは……一緒の寮でもいいですか?」

女の子が嫌いなら、私といるのは苦痛だろうけど……それしか方法がない。

「……最低限の会話しかしないって約束できるなら」

汐くんの言葉に、私はこくりと頷いた。