【完】溺愛×運命論

「とにかく、俺は恋愛ごっこなんかするつもりはない」

そう、だよね……。

汐くんの反応から、覚悟はしていた。

ただ、いくつか気になることがある。

「あの、それは私が嫌だからですか?」

相手が私じゃなかったらいいっていうことかな?って、そうだとしたらもっとショックだ……あはは。

「お前が特別ってわけじゃない。女が嫌いだからだ」

え……?

「そうだったんですね」

それならなおさら、仕方ないよね……。

「お前は結婚したくてこの学園に来たんだろうが、俺は次期社長の座にも興味はない。他のパートナーを探せ」

淡々とした口調で、そう言った汐くん。

私は悲しい気持ちを押し殺して、笑顔を浮かべた。