約束された結末



それから1分もしないうちに、警察が桜木邸に駆け付けた

もう1分早ければ、その惨劇は食い止められたかもしれない

あるいは、氷子の到着がもう少し遅かったら…

しかし、凶暴な姉に怯え続けてきた?、妹ツグミの”願い”は、要は叶えられたことになる…


***


程なくして、現場には救急車が3台到着した

包丁で繋がった桜木と氷子の体は、救急隊の手で慎重に”切り離された”が、全身はおびただしい鮮血に染まっていた

そしてツグミ以外の3人はすぐに病院へと搬送され、その後、ツグミはそのままパトカーで警官に伴われ病院へと直行した

夜の閑静な住宅街の一角は、大勢の人だかりで大騒ぎになっていた…

当然ながら…


***


ツグミがパトカーで病院に到着すると、すでに姉の氷子は息を引きとっていた

桜木兄弟は重傷だが、医師からは命に別条はないと告げられた

そこで、やっとツグミは現実がおぼろげに戻って来た気がした

それはまるで、目の前で起きた出来事がまるでパズルのように、徐々に全体の光景が浮かんでくる感覚だったのだ


***


ツグミは深夜12時前まで事情聴取を受け、続きは翌日といことになり、パトカーで自宅まで送ってもらった

”お姉ちゃんは死んだ。死んだんだ、はは…”

まずは”現実”がツグミの中へ入ってきた

この現実が果たしてツグミ自身に何をもたらしたのか…

それが明確となるまで、まだしばらくの時間を要していたが、その解は明らかであった…