私だけを濡らす雨/ハードバージョン

いくつかの予期を以って



ツグミの予期はここに至り、くっきりな整然の体を成していた。
それは3っつほどの結実模様が、彼女の脳裏に降りおりていたのではあったが…。

つまり…!
まずもって、”その時期”は刻々と迫っていると…。

それは、かくも明白であった。
前提は、間もなく、ここに姉の郡氷子が現れる…、いや、殴り込みをかけてくる…、この想定であった。
その上で、3っつの決着が導かれると!

”私とお姉ちゃんの対決…、それにケンの安否、もう一つは正樹さんの生死…。アハハ…、モロ、郡氷子が3人と命のやり取りをこの場で、まとめて白黒つけるということだよ。それこそ、命を失うカクゴで…。あの人は、サイコーの昇天こそ、自らの死と捉えてる救いようのないイカレだから…。ムフフ…、私にはその直球、都合がいいんだよね。でもさー、実際、お姉ちゃん、ここでの戦いは1対3じゃないんだよね。1対4なのよ。既に!そうなのよん❣もうすぐ警察がここに来て、少なくとも誘拐犯と未成年暴行容疑ので御用って展開が用意されてるんだわ。もち、そのイカレた犯罪者の妹の私は、カワイソーな被害者ってこと!そーゆ―こと‼”

この郡ツグミが描いていた予期は包括的に的中を見る。
このわずか、数十分後に!

だが…、その予期と展開は少なくとも、他ならぬ郡氷子が丸々読み込んでいて上で、然るべきアクション出るのであった。

その奇妙極まる姉妹模様がもたらした狂気の到達点はある意味、端的な決着となる。


***


ツグミの見立てではかなりゆったりなオツムの桜木正樹も、午後8時までスマホから何らの連絡、通知もない現状下では、然もあり何…、カンペキ、テンバッテしまった。

「なあ、ツグミちゃん、もうやばいだろ!ケンは、キミのお姉ちゃんに殺められたんじゃないのか⁉」

今さっきまで、互いの身の上話でこの状況下、絵柄的には相互に手を携えて~~ってモードであったのに…。

正樹は一転、”家族の危機”たる、目下の眼中支配に自己誘導したそこは、ツグミを複数側面でへこませた。

”血が半分でカゾク❓❓笑っちゃうわ。こっちは血、100%で他人以上だよ。オジサン…、なら私、100%他人だけど、カゾクの愛、ちょうだいよ‼どうよ!”

ここでツグミは正樹の急所を突く。



***



「オジサン…、私、ケンを救いたいよ。たとえ、お姉ちゃんを殺しても。私、やるよ。なので、包丁、どこ?」

「…」

「どこよー、包丁は⁉」

彼女はロリ切れカオでオヤジを詰めた。

「ああ…、キッチン台下の右端を開ければあるよ。あのさ…、でもまずいだろ、実の姉を妹が…」

「だって~、しょーがないじゃん!」

「…」

ここでツグミは桜木兄を詰め切った。

”ウフフ…、これで、この人、おねーちゃんが襲ってきたらケンと私の前に立ちはだかってヤッてくれるわ。体を張って、あの狂った女を…(薄笑)」

郡ツグミはここに対郡氷子への迎撃態勢を万全とした…。

対する稀代の凶暴マックスのオンナ、郡氷子は既に桜木ケンをワンボックスカーで連行、東京都下の閑静な住宅街にある桜木邸へと直行の途に着いていた。
腕利きの部下、板垣と藤森を伴って…。