私だけを濡らす雨/ハードバージョン

妹の悪だくみ、さらに①



お姉ちゃんはカンが鋭い

それ、動物並みだよ

嗅覚とか、そんなのも含めて!

これからは油断せず、今まで以上に神経を使って接しないと…


***


そのお姉ちゃんから、桜木さんの裁判との件を聞いたのは訴状到着後、3日してからだった

「この前届いた訴状相手、この近くだよ」

「そうなの…」

「散歩に連れてた犬ころのさ、のどかっ切ってやった。ちょうど、ホームセンターで買った果物ナイフ手元にあったんでさ」

「…死んだの?その犬」

「即死だった。テメーの体から出した血で真っ赤になってて、きれいだったよ」

真顔でのたまわってるし、この人…!


***


「…まあ、あっちもそう遠くないところに住んでるってんで、お前と接触の可能性もあるからさ。一応言っとこうと思ってね」

「うん…」

「それとさ、お前、最近、自販機以外の場所にも出かけてるのか?」

「ええ…?なんで?」

私の心臓は一気にドクドクと音を立ててる

「陽気もよくなったし、少し外出た方がいいと思ってね」

「わかった。ファミレスでランチくらいはチャレンジしてみるよ、ハハ…」

私は背中からどっと汗が滲んでいたよ

お姉ちゃんに桜木さんとのこと知れたら、間違いなく殺される…

私を殺す理由を与えちゃいけない!

気をつけなきゃ…