私だけを濡らす雨/ハードバージョン

姉の企み③



「こらー、もっと腰動かせって‼」


この日もまた、夜の狂態に乱れ猛る、けたたましい姉のあられもない卑猥な雄たけび…。
隣の寝室では、ベッド中で布団をアタマからかぶった妹のツグミが両手で耳を塞いでいた。


今夜この寝室に赴いて氷子を相手していた若い男は、氷子に言われるがままをなぞるのように、ただただ”こなして”いた。
男は懸命だった。
この凶暴な女の大好きな正常位(氷子に遣わされる男連中は献上位と呼ぶ)で、上半身を起こしたまま絶頂を与えないとキツイ仕打ちを受けることになるのだ。


幸い、今夜の男は事前のリサーチとその性豪ぶりを発揮できたため、イカレた氷子を無事快感の頂上に導くことができた。


”今日のはなかなかじゃないの。いいわ…”


狂ったように快感を貪り中の氷子は、珍しく満足に近いものを感じつつあったようだ。


***


「あなた、合格よ。まあ、腰のグラインドが物足りなかったけど、イケたしね。また来なさいよ」


「ええ、ありがとうございます。じゃあ、氷子さん、おやすみなさい」


「はい、バイバイ!」


ご機嫌な、極めて異例な氷子はベッドに全裸のまま、うつぶせの状態で”本日のオトコ”を見送った。
で、その本日くんは逃げるように、一歩間違えればお仕置き部屋になっていたであろう郡家の寝室を後にした。


「ツグミー!今日のオトコのさー、枕カバーにくっついてるから、明日洗濯頼むぞー!引きこもりの分際なんだから、掃除洗濯はしっかりやるんだぞー!」


姉の大声は妹の耳にもしっかり届いた。


「枕カバーか。絶対、忘れないようにしなくちゃ…」


妹のツグミはベッドの中で震えている。


「…ああ、勝股ちゃん?今日のオトコ、そこそこ良かったわよー。はずんであげてね。えっ?アハハハ…、もう、久々にまあまあだったのよ。何しろ、今日、マックスで欲情しちゃってたから…。真昼間から。そう…、車ん中でやっちゃったわよ。…そうねえ、おかずは未成年のガキを縛って無理やりって絵柄だっわね。…うん、そうよ…、アハハハ…。えー?やだあ~、実際にって?どうかしらね…。お相手はまだケツ青の中学生なのよ~。まあ、ヤル時はビデオ回しておくからさ…」


幸いにもこの電話での”中身”は、中学2年の妹の耳には届かなかった…。