「朝からずっとそうだけど、何かあったの?」 「何か……」 "何か"、それはもう紛れもなく千輝くんのこと。 千輝くんのことしか考えられない。頭の中、千輝くんのことしかない。 ずっとずっと、同じ人のことしか考えられないなんて私らしくない。 同じクラスじゃなくてよかった。 同じクラスだったら自然と目で追ってしまって、その癖目が合わないように視線を逸らす、ありえないほど不自然な動きをしてしまうのが目に見えてわかる。