「……俺も一応、男子高校生してるので」 千輝くんの口元が小さく動く。 「一人暮らしの女の家で二人きり、とか変な気起こしそうになるけど」 ……そうだ、いつだって、この家にくる男はいつもだった。田邊も、そう。 だけど千輝くんは……違う? 「昼の遥乃見て決めた。遥乃が俺のこと好きになるまでは手出さない」 濁った瞳なんかではなくて、真剣な眼差しでこちらを見ていて。 嘘じゃない。千輝くん、私に手を出すつもりなくて……。