「なんで、そんな後ろ向きにヘンな歩き方してんの?」
くすっと笑われる。
こっちは逃げようと必死なのに……!
「あー……ね? ふつーに歩くこともできないくらい怪我、痛む?」
とりあえず、そういうことにしとこう。
コクコク頷いてみせれば、「そっかーなるほどねえ」と言われて。
うまく回避できたと、思ったのに……。
「消毒まだなら、早く保健室で手当してもらわないとだめだよ」
「っあ、そう、だった消毒……」
「でも。そんなまともに歩けないほど痛いなら、ひとりじゃ行けないよね……?」
「っ!」
──普通なら、こんなとき。
全然大丈夫です! ひとりで行けます! って、言えるはずなのに……。
瞳に捉えられた瞬間、呪いにかかったみたいに、言葉がでなくなってしまった。



