ていうか、いきなり本当によく喋るようになった……!
連絡事項と、はい、いいえ、しか聞いたことなかったから。
よかった〜なんか安心。
中城くんも、その気になればちゃんと喋れるんじゃん。
「?…… なにを笑っているのですか」
「っあ、いやあのね、今まで中城くんのこと機械みたいだなーって思ってたからちょっと感動して」
「………、」
あ、余計なこと言ったかも。
黙っちゃった……。
「と、とにかく忠告はちゃんと理解した、大丈夫だよ! 気をつけるね!」
「………」
「でも、雪くんの恋人じゃないわたしに利用価値なんかないのに……。今日も改めて感じたんだけど、雪くんにとってのわたしは、遊び道具みたいな存在だと思うんだよね」
「………」
無反応な中城くん。
黙って一礼、くるりと踵を返して去っていく姿を見ながら。
やっぱり中城くんとコミュニケーションを取るのは難しいなあとうなだれて、教室に入る。
「……おそろしく鈍い人だな」
───密やかに落とされた声は
耳に届くはずもなかった。



