【 今朝急いでたからちょっと転んじゃっただけ! 】
【 大丈夫! 】
送って間もなく既読がつく。
【 ちゃんと消毒しとけよ 】
……こういうところがあるから、憎めないんだよね。
ふたりでいるときは、怒るか、甘えてくるかの二択な雪くんだけど
スマホのメッセージでは、ほんの少し優しい気がする。
なんだかんだ言いつつ気にかけてくれるんだなあって嬉しくなるんだ。
【 心配してくれてありがとう☺︎ 】
送信したところで、ちょうど自分の教室にたどり着いた。
───だけどそこに、思わぬ人物を発見する。
「加藤様」
「おわ、中城くん」
扉の前に立っていた彼に駆け寄る。
「中城くんも同じクラスだったんだね、よろしくね!」
「いいえ。自分は隣のクラスです」
「あれ、そうなの? じゃあ、わたしに何か用があるってこと……?」
「はい。1つ忠告をと、思いまして」