「ん、なに」
「ゆ、指……」
「指?」
い、言えない……。
だって相手は王様だし。
しかも……。
触れられてるのは至って健全な場所だし(?)
少女漫画のオトナなシーンみたいに、あんなことやこんなことをされてるわけでもないし……。
でもそーいうのを意識しちゃうのは、わたしの妄想が行き過ぎてるから、なのかな……!?
「なに、言えよ」
「う……───」
うううん、やっぱりおこがましい。
雪くんは反応をおもしろがってるだけなのに。
おもちゃ!
わたしはただのおもちゃ……!
「や、あの……その、く、くすぐったかっただけ」
「………あ、そ」
そんな、大して興味なさげな相槌のあとだった。
ふいに、雪くんが体を離した。
あれ……?
いつもなら少しの時間も惜しいって言うみたいに、またすぐ抱きついてくるはずなのに……。