「おいテメエらどけ! 俺たちは雪さんの指示で急いでんだよ!」

「ざけんなそっちがどけ! こっちだって本領さんに応援求められてんだよ!」



なにやら道路の半分と半分で分かれていがみ合っている様子。

間もなくわたしたちのそばを通過してしまうんじゃないかというところで、先頭メンバーのひとりが道端のわたしたちに気づいた。



「ちょっ……ええ、本領さん!?」


他のメンバーたちも一斉に急ブレーキをかける。

それからあわただしく次々に降りてきたかと思えば。



「本領さん! なんでSolの女と一緒にいるんですか!?」
「杏実さん! なんでLunaの総長と一緒にいるんですか!?」



双方から浴びせられた声はぴったりとそろっていた。



一時、場が騒然となるものの、本領くんの「ウザ……」というひと睨みでスッと静かになった。



「てかお前たちおっそいんだってー。あみちゃんが無事だったからもういいけどさ」


「す、すみません! なるべく早く駆けつけようと急いだつもりだったのですが、Solの連中と道中でバッティングしてメンバーの一部がもみ合いになったり……」


「はあ、そんなことだろーと思った」


ため息をつく本領くんに、Lunaのメンバーたちはペコペコと何回も頭をさげる。