え、っ、……。
途端に、目の前が真っ暗になる。
やっぱりだめだった……かな。
「ご、ごめんなさい……。気持ち悪かったよね、嫌いな女に、こんなこと言われて……っ」
ぼと、と落ちる涙に気づいた本領くんが、あわてて頭をポンポンする。
やっぱり子ども扱い……。
「違う……違うから……。頭が追いつかなくて、おかしくなりそうだっただけ……」
「……え」
本領くんがわたしの手を取った、そのときだった。
――ドドドドドド!
――ヴォン、ヴォォォン!
地響きのような爆音が聞こえてきてびくう! と肩が飛びあがる。
なっ、何事!?
振り向けば、道幅いっぱいに広がるバイクの群れ。
10人……いや20人以はいる。
ど派手に旗を掲げている人もいて……。
その中に『Luna』、『Sol』という文字をたしかに見た。
まさか、雪くんと本領くんの仲間!?
隣で本領くんが「あはは」と笑い声をあげた。