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雪くんはわたしに傷がないことを確かめると、「こいつらに依頼したご令嬢に挨拶してくるね〜」とバイクを走らせて行ってしまった。


ぼこぼこの車。

へとへとに潰れた車の持ち主たち。


そのとなりに、体育座りをするわたしたち……。



「かとーあみちゃんって、ほんとに悪い子だね。俺にも、天沢にも嘘をついて出ていっちゃうなんて」

「ご、ごめんなさい……。助けにきてくれてありがと……」



どうして場所がわかったのかとか。
なんで、ふたりが一緒にきてくれたのかとか。

聞きたいことはいっぱいあるけど、一番は……。



「あのねっ、今日断っちゃったLunaの幹部室に行く話なんだけど……!」

「え? ああ、大丈夫、もうわかってるよ。かとーあみちゃんの気持ちも聞いたし、今後は俺も関わんないようにするからさ、」

「そうじゃなくてね、あれ嘘なの……」