わたしは雪くんのことを友達だと思ってて、あっちもそう思ってくれてると勝手に自負してるけど。
本当は友達なんて素敵なものじゃなく、
遊び道具みたいな感覚なんじゃないかな……って、たまに考える。
たとえ遊び道具だろうと、
“お気に入り”なら絶対に手放さないのが雪くん。
今までずっと、どうして自分が雪くんのお気に召しているのか不思議でしょうがなかったけど
おもちゃとしてなら……こんな凡人女が執着されているのも、まあ理解できる気がするし。
───だけど。
「なんでこんな感度いいわけ」
「……ひぅ」
最近、どんどん、なんていうか……
「もうすぐホームルーム終わるな。今度の会議でチャイム廃止させるか……。聞こえるのは杏実の声だけでいい。他はぜんぶ耳障り」
「っあ、の……雪く、」
近すぎる……?
いや、近いのはもともとだ!
そう、なんていうか、触れ方が、
ふ、深く? なってる、ような……っ。