孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている


この弱々しい雪くんは、ちゃんとホンモノ。

雪くんは育った境遇のせいで人間不信なところがあって、そのぶん、気の知れた相手に対する愛情はすこぶる重かったりする。


自分の好きなものを手に入れるため。
そして好きなものをずっと側に置いておくためなら手段を選ばないほど。


ただ……。

いくらなんでも、“友達”でしかないわたしが“世界で1番大事”なんて
さすがに言い過ぎだと思うんだよね……。


まあ雪くんの交友関係は広いように見えて実は極狭だし、しょうがないのかもしれないけど……。



「ねえ、雪くんあのね……わたしたちが付き合ってるってみんなに勘違いされてるの、やっぱりちゃんと否定したほうがいいと思う」

「……は?」


容赦のない冷たい反応は予想通り。

だけど、いつまでも怯んでるわけにはいかないと強く出る。


「雪くんってすごいモテるでしょ。わたしといるせいで他の素敵な子に出会うチャンスも減っちゃうかもだし、何より雪くんを好きな子が可哀想だし騙してるみたいで悪い!」