「かとーあみちゃんって、強いよね」
「つ、強い? かな……」
「守る必要がない、って意味じゃないよ」
「う……ん?」
「巨悪なものを、どかーんと吹き飛ばす力を持ってるよねってこと」
強い? どかーんと吹き飛ばす?
そんな力を披露したシーンあったかな……。
「怪力ってこと……?」
「最高の女だってこと」
わたしたちのやり取りに、なぜか敷島くんが吹き出たした。
「あーあ。本領が女とこんなに喋ってるのすげーなって思って見てたけど、違うな。本領にここまで喋らせるあんたがすげーや」
そう言いながら立ち上がって、ケーキ皿を重ねていく。
「あっ、わたし洗うよっ! ご馳走になったんだからそれくらい……」
「いい。この皿高いんだって。割られたら困る」
ひょいと高いところに持ち上げられて、奪うことができなくなった。
「オレ今から余った材料でまたなんか作りたいから、お前ら出ていってくんね」