さらに2週間ほど経った日のこと。
トイレに入ろうとすれば、中から女の子たちのやり取りが聞こえてきた。
「加藤杏実、まじでキモいよね。クラスメイトに話しかけられたのに無視するとかほんとに何様? 勘違いもはなはだしいわ」
「あんな子だとは思わなかったよねー」
「1年の頃は猫かぶってたんだよ。雪くんと公認カップルになって、安心しきって化けの皮剥がれたん でしょ」
「うわ性格わるっ。雪くんにフラれるのも時間の問題でしょ」
あ……また、だ……。
ここでわたしが出ていっても妙な空気にさせるだけ。申し訳ない……。
ちょっと遠いけど、隣の校舎のトイレまで行こうかな……。
そう思って足を引いた直後。
「てか、まりやが一番被害者じゃん! まじで可哀相〜」
「親友のこと捨てるとかさすがに神経疑うって」
「ね、まりやもそう思うよねー?」
ドク、と重たく脈打った。
まりやちゃんも、そこにいたんだ……。



