孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている


痛いほどの視線を浴びながら、わたしはできるだけ自然に見えるようにその手をとる。


「羨ましい〜〜っ」
「天沢くんかっこよすぎる……。加藤さんになりたい」


聞こえてくる声に罪悪感を抱えながらも、雪くんに手を引かれるまま付いていくしかなく。


そんな中、お次は反対側の廊下から、同じようにみんなが道を空ける気配がした。



「本領くんだ……」

近くの女の子の声に、びく、と反応してしまう。



──裏勢力 Luna総長・本領 墨くん。


トップに立つふたりの男の子が、初めて正面から向き合った瞬間

その場の空気が、ピシ……と張り詰めた。



ただ、おかしなことに。

本領くんの視線は、雪くんではなく──わたしに向いている。

その瞳が、ゆっくり妖しく弧を描いた。


「 “初めまして” 。
……クラスメイト同士、仲良くしよーね」