お互い、目を丸くして見つめ合う。


1秒、2秒、3秒。

少女漫画かなにかで、人は見つめ合って3秒で恋に落ちるみたいな話を聞いたことがあるけど。


今の状況は、そんなロマンティックな雰囲気からはかけ離れていて……。

むしろ、真逆、真逆、真逆。



「わお、敵方のお姫様じゃないですか」


声のトーンが急に落ちた。

つー……っと、冷たい汗が背中を伝っていく。


妖しく細められた瞳にぞくり。

一瞬で血の気が引いて、目の前が暗くなって、世界の終末でも見たかのような感覚。

そう、決して、大げさじゃなく。