「やだ……っ、なんか、ヘンなかんじ、するから、やだ……」

「そうやっていやいや言ってるのに、俺にぎゅうって抱きついてくるの、なんで?」

「へ……っ? わ、わかんないぃ……、こわい」



熱い熱が、波みたいに次から次へと押し寄せてきて、どこかに連れて行かれそうで怖いから……。

本領くんにすがって、流されないように、収まるまで待つしかなくて……。


でも、ぜんぜんやめてくれない。



「ほんりょー……くん」

「ん……なーに?」


「もっ、やんないで……」

「だめ。やめてあげない。かとーあみちゃんが嘘つきだから。悪い子だってわからせないと」


直後、指先にぐっ……力がこもって、目の前がちかちかした。