お気遣いはありがたいんだけど
見てよ、敷島くんの顔……!
あからさまに敵意向けられて居座れるほど図太くないもん。
伝われ、と思いながら、本領くんに必死で目線を送る。
すると、「ん?」 と首を傾げながらわたしを見てくれて。
「んーあー……ね? 敷島が邪魔だってさ。出てって」
なっ? え〜〜〜っ!?
「違うんです本当に違くって! 邪魔なのはわたしで……っ、お邪魔してほんとにごめんなさい、すぐに出ていきます……っ」
むしろ出て行かせてください。
本領くんの手を振り払って立ち上がった。
───つもりが。
「っ、杏実ちゃん!」
本調子じゃなかった体が、ぐらりと傾く。
直後、強い力で引き寄せられた。
気づいたときには本領くんの腕の中。
「ほんっとさあ、何回倒れれば気が済むの」
「な、何回もお手間をかけさせてすみません……」



