それはそうかもしれない。
「でも保健室じゃ薬とか処方してもらえないんだよね。体だいぶ辛そうだったし。それに……」
──『今日、本領くんが声掛けてくれたときうれしかったんだ……』
──『わたしを騙すためでもうれしかったの……体調悪いのひとりで我慢してるの、ちょっとだけ辛かったから……』
「杏実ちゃんが目を覚ましたとき、1人よりもいいかなーって」
向けられるのは呆れた目。
「お前ほんとにどーかしてるよ。敵の女に惚れ込んじゃってさ、みんながみんな、オレみたいに理解あるわけじゃないんだぜ」
「どーかしてるのは自分が1番よくわかってるよ」
起こさないように、杏実ちゃんを大事に抱きかかえる。
……あーあ。
今日で終わりにするつもりだったのにな。



