本領くんに保健室で手当をしてもらった日
──いたじゃん。
条件にぴったり当てはまる人が……!
立場の違い。
つまり、先生と生徒という禁断。
絶対叶わないのは
先生は、2次元に旦那さんが3人くらいいるから
(アウトオブ3次元)。
なんで……あの日気づかなかったんだろう。
たしかに先生と生徒だったら難しいかも。
みんなに公表もできないし……。
卒業したら問題ないかもしれないけど、本領くんの家柄的にも厳しそう……。
ようやくわかってすっきりしたはずなのに、なんとなく胸の内がぼんやりと晴れない。
やっぱ体調のせい……?
まりやちゃんたちに心配はかけられないし、我慢するしかない。
言い聞かせて、教室の扉に手をかけたときだった。
「──へーき?」
すぐ後ろから飛んできたのは、聞き覚えのある声。
どきっとする。
影が足元にかかって、反射的に顔をあげるけど、相手はわたしのことなんか見てなくて……。
……空耳?
彼は、まっすぐに前を見つめたまま、わたしをスッと追い越して教室に入っていく。
「あんまり無理しちゃだめだよ」
教室の喧騒にまぎれて、その言葉はたしかに届いた。



