「いらっしゃいませ」

「急な予約に対応してくださってありがとう」

「いえ、とんでもございません。金城様はいつもご利用してくださっているお客様ですから当然です」


 そこからはお母さんとは別れて私は、美容師さんによって髪を整えられる。
 まずシャンプーをされ、ヘッドスパで頭皮を柔らかくなると長い髪は毛先をゆるく巻かれてナチュラルメイクを施されたのだが。


「え、誰」

「ふふっ、可愛らしく仕上げさせていただきました」

「すごい、お姫様みたい……」

「光栄です、ありがとうございます」


 美容師さんと一緒にお母さんがいる個室の待合室にいくと「あらまぁ」とのんびりとした声でお母さんは声を出す。


「見違えたわねぇ、汐梨」

「そうだね……私もそう思う」


 そんなことを会話してから私たちは美容院を出た。
 お見合いの場所は、ホテルすめらぎというこの辺じゃあ高級ホテル。そのホテルまでカシワギさんの運転で行くのだけどホテルに着いたら私だけ降ろされる。お母さんはお友達とお茶会があるとかで……

 まぁお見合いって言っても、ホテルのカフェで話をするだけだからいいのだけど。