星の降る夜、音のない世界で、君の声を

コンビニ袋を片手に、私は翌日も公園に向かった。時間は、バイトを早上がりにしてもらって、昨日より早めの7時に着いた。昨日の()な感じのアイツがまた来るかもしれない。先に到着したかった。

目的のスチールベンチには、まだ誰も座って居なかった。スチールベンチをぐるりと回って、下まで覗き込む。星座の本は、やはり見当たらない。

「やっぱり、無いよね……」

仕方なく腰掛けて、ちいさく溜息を吐き出した、私の右手にカサッとしたものが指先に当たる。

「あ」

スチールベンチの座席に挟み込むようにして、折り畳んだ紙を見つけた。


ーーーーやっぱり、置いてくれてたんだ。

『もうすぐ、みずがめ座流星群が観れるかも
、もし』

 生真面目そうな文字で、いつも1行だけ、星座に関することが記載されてある。今日は最後の『もし』の部分だけが、縦線を何度か書いて消してあった。