ーーーー誰だかわからない。内容は星に関することだけ。いつの間にかこうやって、誰かもわからない人と、私は、『手紙』のやり取りをするようになっていた。
どんな人なのか、一度でいいから、話がしてみたくて、自分の携帯の番号を書いた。結局、いくら待っても、電話は、かかってこなかったけけれど、この手紙だけは、やりとりが続いていた。
『明日は、嫌なことも忘れられそうな一等星のスピカがおすすめ』
『夏の大三角形もいいけど、春の大三角形もキレイだね』
『しし座の尻尾って見つけにくいけど、見つけたとき嬉しいよな』
そんなたわいもないことを手紙でやり取りする。でも、いつもこの手紙を読むたびに、何だか一人じゃないと思えて、寂しさが和らいだ。
同じように、星が好きで、誰も居ない、声も聞こえない藍の空にただ、星を見つけては心を躍らせる。そんな自分と似た人がいるんだって思うと、ほっとする。
「今日は、星が綺麗……」
本は無くしてしまったけれど、星座の地図も、季節を彩る星の神話も全て頭に入っている。私は星が瞬く夜空に目を細めた。今夜は絶好の『星日和』だ。思う存分夜空を楽しんで帰ろう。誰もいない藍の空の中で。私は、コンビニ袋を地面に置くと、首を倒せるとこまでそらして、真上の星達を眺めた。
どんな人なのか、一度でいいから、話がしてみたくて、自分の携帯の番号を書いた。結局、いくら待っても、電話は、かかってこなかったけけれど、この手紙だけは、やりとりが続いていた。
『明日は、嫌なことも忘れられそうな一等星のスピカがおすすめ』
『夏の大三角形もいいけど、春の大三角形もキレイだね』
『しし座の尻尾って見つけにくいけど、見つけたとき嬉しいよな』
そんなたわいもないことを手紙でやり取りする。でも、いつもこの手紙を読むたびに、何だか一人じゃないと思えて、寂しさが和らいだ。
同じように、星が好きで、誰も居ない、声も聞こえない藍の空にただ、星を見つけては心を躍らせる。そんな自分と似た人がいるんだって思うと、ほっとする。
「今日は、星が綺麗……」
本は無くしてしまったけれど、星座の地図も、季節を彩る星の神話も全て頭に入っている。私は星が瞬く夜空に目を細めた。今夜は絶好の『星日和』だ。思う存分夜空を楽しんで帰ろう。誰もいない藍の空の中で。私は、コンビニ袋を地面に置くと、首を倒せるとこまでそらして、真上の星達を眺めた。



