わたしの王子様は笑顔がニガテ。人付き合いも得意じゃない模様。特技は喧嘩、暴走族の総長さん。



性格も好きなものも合いそうにない。



それでも私には君がたった一人の王子様です。



「あの時キスするのが定番じゃないの?」


「演技にしたくなかっただけ」


「...ずるい」






──好きと好きのあいだには二人しか知らない物語がある。



“好き”は物語が進む言葉。



君と私、これからも好きが重なっていきますようにと願うばかりの春のこと。