この嘘に、ピリオドを

(ヴァイオレット、元気にしてるかしら……)

カナダの動物園でお手伝いとして行った際、出会ったシロクマのことを思い出す。母熊に育児放棄されてしまったため、職員たちの手で育てることになったのだ。

(もうあれくらい大きくなったわよね)

シロクマのお世話で大変だったこと、楽しかったことを思い出してしまう。その時、総司に「心春さん?」と声をかけられ、肩に触れられる。突然のことに心春はびくりと肩を震わせた。

いつの間にか涙が浮かんでいた。それを乱暴に拭い、「何でもありません」といつもの台詞を言い、総司も「気分が悪くなったら言ってください」といつもの台詞を言う。

その後も、心春はどこかはしゃいだ様子の総司に連れられ、たくさんの動物を見に行く。そのたびに、心春の中で働いていた頃に関わった動物たちを思い出していく。

ライオンのハリー、クロサイのソフィア、チンパンジーのクラウディオ、カンガルーのミミ。愛しい動物たちと同時に思い出されるのは、ジョンの笑顔だ。

『心春、ガラパゴス諸島に行こう!!あそこは珍しい動物がたくさんいるんだ!!動物たちの楽園なんだ!!』

「ジョンさん……」