「お嬢さん、召し上がらないですか?」
総司の父が箸を持とうとしない心春に気付き、声をかけてくる。父はチラリと心春を見た後、「総司くんとの結婚に向けてダイエットをしているようで……」と誤魔化していた。
「食べなさい。あなたのせいで空気が悪くなっているのよ?」
母にそう耳元で言われるも、心春は箸を持つことはしなかった。お見合いをするまで何も食べさせてもらえなかったため、お腹は空いている。だが、目の前の料理を食べたいとはやはり思えなかった。
抹茶とデザートのシャーベットを両親たちは食べた後、父が「あとは若いお二人で」と言い総司の両親と共に個室を出て行く。襖が閉ざされ、部屋は静まり返った。
(やっと出て行った……)
ずっと俯いていたためか、首が痛くなっている。表情には出さないようにし、ゆっくりと心春は顔を上げる。その時初めて、総司と視線が絡み合った。
爽やかな雰囲気があるマッシュショートヘアに、ぱっちりとした二重の目、かっこいいというより可愛らしい雰囲気の男性だった。だが、心春の胸が動くことはなく、その目はすぐに総司から日本庭園へと向けられる。
総司の父が箸を持とうとしない心春に気付き、声をかけてくる。父はチラリと心春を見た後、「総司くんとの結婚に向けてダイエットをしているようで……」と誤魔化していた。
「食べなさい。あなたのせいで空気が悪くなっているのよ?」
母にそう耳元で言われるも、心春は箸を持つことはしなかった。お見合いをするまで何も食べさせてもらえなかったため、お腹は空いている。だが、目の前の料理を食べたいとはやはり思えなかった。
抹茶とデザートのシャーベットを両親たちは食べた後、父が「あとは若いお二人で」と言い総司の両親と共に個室を出て行く。襖が閉ざされ、部屋は静まり返った。
(やっと出て行った……)
ずっと俯いていたためか、首が痛くなっている。表情には出さないようにし、ゆっくりと心春は顔を上げる。その時初めて、総司と視線が絡み合った。
爽やかな雰囲気があるマッシュショートヘアに、ぱっちりとした二重の目、かっこいいというより可愛らしい雰囲気の男性だった。だが、心春の胸が動くことはなく、その目はすぐに総司から日本庭園へと向けられる。



