「本当……あんただけは敵に回したくない」
「褒め言葉として受け取っておく」
「褒めてないし」
友奈の言葉に鼻で笑って返すと、知由は記事を書くことに集中した。
◆
こんなにも長い一時間は、初めてだった。
あの、三崎知由の悪魔的な微笑みが、頭から離れない。
脳内に浮かぶたび、悪寒が走る。
知由を直接見るまでは会社の人たちを見下していたが、あれは関わりたくない人種だと、今ならわかる。
鷹宮はどこに向かうでもなく、生き急ぐ人たちの中を歩いていく。
遅れる時間を現実に引き戻したのは、一本の電話だった。
相手は、同期の坂本英介だ。
「肇、今どこにいる!?」
応答を押し、スマホを耳に当てた瞬間に、慌てた声が聞こえてきた。
「英介、うるさいぞ」
完全に気力を抜かれてしまった鷹宮からすれば、それは耳障りの悪いものだった。
「お前、なんでそんなに落ち着いてるんだ。今、ネットでお前の記事が炎上してるぞ」
知由に燃やされた。
そう理解するのは、難しくなかった。
「証拠もない状態で記事にするなって?」
鷹宮は過去の自分を嘲笑する。
しかし電話の向こうからは、困惑の声が聞こえる。
「いや、一般人を盗撮するヤバい奴だって 」
「褒め言葉として受け取っておく」
「褒めてないし」
友奈の言葉に鼻で笑って返すと、知由は記事を書くことに集中した。
◆
こんなにも長い一時間は、初めてだった。
あの、三崎知由の悪魔的な微笑みが、頭から離れない。
脳内に浮かぶたび、悪寒が走る。
知由を直接見るまでは会社の人たちを見下していたが、あれは関わりたくない人種だと、今ならわかる。
鷹宮はどこに向かうでもなく、生き急ぐ人たちの中を歩いていく。
遅れる時間を現実に引き戻したのは、一本の電話だった。
相手は、同期の坂本英介だ。
「肇、今どこにいる!?」
応答を押し、スマホを耳に当てた瞬間に、慌てた声が聞こえてきた。
「英介、うるさいぞ」
完全に気力を抜かれてしまった鷹宮からすれば、それは耳障りの悪いものだった。
「お前、なんでそんなに落ち着いてるんだ。今、ネットでお前の記事が炎上してるぞ」
知由に燃やされた。
そう理解するのは、難しくなかった。
「証拠もない状態で記事にするなって?」
鷹宮は過去の自分を嘲笑する。
しかし電話の向こうからは、困惑の声が聞こえる。
「いや、一般人を盗撮するヤバい奴だって 」



