探偵少女

 嵌められた。


 それがわかるまで、時間はかからなかった。


「あの三崎に堂々とケンカ売る人なんて、初めて見た。ぜひ勝って」
「……ムリだろ」


 友奈の楽しそうな声を、鷹宮の消えそうな声が遮る。


 友奈は呆れた表情を浮かべる。


「貴方も結局、三崎の圧力に負けるわけか。つまんないの」


 そう言いながら、鷹宮に背を向けるが、すぐに振り返った。


「そうだ、一つ言い忘れてた。後悔の時間まで、あと一時間らしいよ」


 不吉なカウントダウンを残して、友奈は喫茶店の中に入っていく。


 鷹宮と話すことに緊張していたのだと、カウンター席に座ってから気付いた。


「鷹宮は?」


 知由はエプロンを外し、カウンター席に置いておいたノートパソコンの前に座る。


「戦意喪失して、外で座り込んでる。さしずめ、話題をかっさらいたいだけの弱虫だったってところね」


 友奈は雪兎のカフェラテを飲みながら答える。


 それを聞いて、知由も同じくつまらなそうにする。


「それで? 後悔の時間って、なにをするつもりなの?」
「向こうがガセネタで遊んだから、私も遊ぼうと思って」


 さすがにそれには同調しなかった。


「それ、大丈夫なの?」


 心配の声を他所に、知由はキーボードを打つ。


「内容が内容だから、不特定多数の人たちが見れるようにはしない。ただ、こういうネットでの情報操作でなにが起きるのかを、身をもって知ってもらうだけ」