探偵少女

 カメラ越しではなんともなかったのに、実際に見ると、その容姿に圧倒される。


「お客様?」


 逃げないと。


 そんな直感が働いた。


 罠にはまるような予感とでも言うべきか。


「……すみません、間違えました」


 結局、鷹宮は喫茶店を出てしまった。


 しかし素直に帰るということはなかった。


 物陰に隠れ、窓の外から店の様子を伺う。


 その背景を、鷹宮は見たことがあるように感じた。


 店内を働き回る知由を見て、脳内の画像を検索していく。


 だがふと、気になった。


「……働いている?」


 なぜ、彼女が働いているのか。


 ここは、朝原晴真と撮られた場所のはずなのに。


 普通なら、そんな場所で働いたりなんてしないだろう。


 それがなにを意味するのか、容易にわかりそうなのに、鷹宮は認めたくない一心で、考えないようにした。


 そのとき、ガラスが割れる音がした。


 店内を見ると、知由が客に謝っている。


 そこに、入ったばかりの客が駆け寄った。


 慌てた様子で、知由の手に怪我がないかを確かめる。


 鷹宮は、ちょっとした好奇心で、カメラを向けた。


 意味のない写真かもしれないけれど、ないよりかはマシだろうと、シャッターを押す。


「次の記事の見出しは『話題の三崎知由は男を騙す悪女だった!?』って感じ?」