探偵少女

 歯切れの悪い返答だ。


 それでも鷹宮は、自分の望む答えが返ってくると信じて、男の言葉を待つ。


「そう言われると、自信ないです。相手は芸能人だし、変装してたし。ただ、あの女の人がやけに目立つ見た目してたから、印象に残ってて。あとから、隣にいた人が朝原晴真に似てるなって思っただけなんで」


 鷹宮は所詮ネットでの情報だなと思った。


 それと同時に、自分がしたことを思い返した。


 自分は、そのネットの情報に依存して記事を書かなかったか?と。


 松島の言葉やネットでの反応が脳裏をよぎる。


 それでも、自分は間違っていないのだと思わないと、正気ではいられない。


 鷹宮は掴みかけた情報に縋るように、深く聞いていく。


「そうですか……ちなみに、どの辺りで目撃したかは覚えていますか?」
「話題になってる喫茶店の近くです。きっと、あそこは穴場なんですよ。例えば……ほら、夢郷未咲の目撃情報、あの辺が多いじゃないですか」


 正直に知らないとは言えず、そうですね、なんて返す。


「そう言えば、今日あそこの通りを歩いたんですけど、店、開いてた気がします。いや、でもこの騒ぎの中で会ったりはしないか。すいません、今のはなかったことに」