探偵少女

「俺たちも、お前に一秒でも早く、この会社と縁を切ってほしかったところだ」


 待っていたと言わんばかりの速さで言われた。


 しかし鷹宮からしてみれば、これは、まだ三崎知由という存在を恐れていると言っているようなもの。


「お世話になりました」


 分かり合えないと判断した鷹宮は、スマホを耳から離す。


 そして電話を切った勢いで、松島の連絡先をブロックし、削除した。


 再びサイトを覗きに行くと、気になるコメントを発見する。


『晴真くんの熱愛報道、ニュースでは取り上げられてないから、あれってウソじゃないの?』


 心臓の音が一つ、耳に響いた。


『堂々とガセネタを世の中に広めた』


 まったく響かなかった松島の言葉が、今になって鷹宮のメンタルを傷付ける。


 心音は早くなっていく。


 否定的なコメントがここまで胸をえぐるものだとは知らなかった。


『確かに。あれはSNSで騒がれてるだけだ』
『ワイドショーはあったけど、あくまで、ネットで話題のネタって感じだったよね』
『じゃあこの記者さん、SNS情報に釣られたってこと? やば、ダサすぎ』


 一文字ずつ目を通し、言葉として認識するまで、必要以上に時間がかかる。


 深呼吸し、心を落ち着かせる。


 きっとこれは、ガセだと言い張る三崎知由の仕業だ。


 そう思い込むことで、若干平常を保つ。