探偵少女

 友奈は呆れた表情でため息をつく。


「一生弱ってればよかったのに」
「鼓舞したくせに」


 二人は睨み合う。


 だけど、その空気感は穏やかだ。


「相変わらず、二人は仲良しさんだね」


 ドアの開く音と、そんな声がほぼ同時に聞こえた。


 そこには滋が立っている。


「滋の目は節穴」
「滋さん、女子がいる部屋なんですから、ノックしてください」


 二人からの冷たい言葉に、滋の笑顔が固まる。


「ゆっきー……女の子たちが厳しすぎて、僕泣きそう……」


 後ろから顔を覗かせた雪兎は、苦笑している。


 そんな滋がここにいる中で一番年上だが、そうは思えなくて、知由と友奈は顔を見合せて笑った。


「もう、意地悪言う子には情報あげないからね」


 拗ねた顔で言うから、余計に子供に見える。


 だが、発言の内容的に、知由は冷やかすことができなかった。


「もう情報を仕入れたの?」


 褒められそうな雰囲気を感じ取り、滋は得意そうにする。


「滋さんも使ったの?」
「私が動けない代わり……と思ったけど、やっぱり情報集めに関しては、滋のほうが優秀らしい。勝てる気がしない」


 想像以上の言葉に、滋はさっきとは違う意味で泣きそうになっている。