探偵少女

「和野夏恋はスクールカーストで言えば頂点に近い人間。そこに楯突く奴はそういないだろう」


『でももし本当なら、あの女はどこまでも私たちのことを下に見ていたってことね。まったく、美人は性格が悪いんだから』


 思い返してみれば、友奈に詰め寄っていた人たちは、夏恋のこの一言に納得し、解散した。


 あのときは不思議だと感じたが、夏恋自身にそれだけの発言力があるのだとすれば、簡単に腑に落ちる。


 そんなことすら知らない自分は、いつの間にか他者との関わりに興味がなくなっていたのかもしれないと、少しだけ切なくなる。


「彼女じゃないとすれば、一体誰が……」


 見ず知らずの人が知由の名前を出した可能性もあるのに、友奈は犯人が身近にいるようなことを言った。


 だがこれは、容疑者が無実だったときに、つい言ってしまう言葉でしかなく、本気で近くに犯人がいるとは思っていなかった。


 なんせ、今回の容疑者は全国、いや、下手すれば全世界にいる。


 容易に見つけられるわけがない。


「蒼空だ」


 それなのに、知由からは正確な答えが返ってきた。


 友奈は口を歪ませ、無理に笑おうとする。


「冗談でしょ……? 三崎のことを慕ってる蒼空さんが、こんなことするわけ……」