探偵少女

 それを知っているからこその言葉だった。


「ちぃちゃんは、ネットの騒ぎを起こした犯人を突き止めて、行動に移ろうとしました。でも、圧倒的数に囲まれて、身動きが取れなくなった。八方塞がりなんです」


 雪兎の言おうとすることを一応理解はしたが、納得はできていなかった。


「でも、みさきちゃんって、その程度で落ち込むようなタイプじゃないよね? むしろ燃えるというか」
「今回は自分が渦中にいるので、打つ手なしって感じです」
「なるほど……」


 滋は水を飲み、考えを巡らせる。


「ゆっきーはさ、僕になにをさせようとしてたの?」


 知由の状況は把握した。


 だが、自分自身がこの場にいる理由がわからなかった。


 そして、雪兎の答えはなかった。


「悪いけど、どうするかも決まってない状態で力になってほしいって言われても、困るよ」


 滋が立ち上がると、雪兎は目の奥から助けを求めた。


 滋はため息をつく。


「……僕よりも、一弥のほうが役に立つんじゃない?」
「一弥さんは、自宅にこもってます」


“なんで?”という言葉が出そうになったが、飲み込んだ。


「なるほど。みさきちゃんと真正面から向き合えないなら、周りから……とされたとき、一弥は狙いやすい。その点、僕はそこまで目立ってなかったし? 情報収集という便利なスキル持ちだし? 海より頼みやすいし?」