探偵少女

「ネットでも叩かれていたし、怖気付いたのね」


 夏恋は、それはもう気分よさそうに笑う。


 この人は知由のことを敵視しているくせに、なにも知らないのだと、内心呆れる。


「中矢さんは、彼女があれだけ叩かれて、心配していないの?」
「心配は、まあ、してるけど……」


 もちろん、知由ではなく、知由に仕返しをされてしまう人に対して。


 しかし、そんなことよりも気になる発言があった。


「三崎ってそんなに叩かれてましたっけ」


 友奈が見たネットの反応は、『三崎知由、美人すぎ』『絵力強すぎて無理』『圧倒的に敵わない』といったようなものだった。


 批判的なコメントは、見覚えがなかった。


「あの子の友達なのに知らないの? 本当に心配しているのかしら」


 呆れているというより、嘲笑していると言ったほうがふさわしい表情だ。


『友達じゃないし、あいつの心配なんかしてないっつーの』


 トラブルを起こしたくないが、文句がないわけでもないので、心の中で悪態つく。


「なんにせよ、もうあの子は終わりね」


 夏恋は楽しそうに、友奈の元を離れていった。


 時計を見ると、まだ昼休みは数分残っている。


 友奈はスマホで、夏恋が言っていた批判的なコメントを見てみることにした。