探偵少女




 昼休み、友奈の周りは騒がしかった。


「三崎さんが晴真の彼女って、本当?」


 本日何度目か知らない、この質問に友奈はため息をつく。


 とりあえず否定して、“知らない”と言っておけばいい。


 わかっていても、何度も繰り返すと、面倒になってくる。


「あんな、お高く気取った女が、晴真くんの彼女なわけないでしょ」


 答えたのは友奈ではなく、知由のことを一方的に敵視している和野夏恋だ。


 友奈はさらに面倒なことになったと思った。


「でももし本当なら、あの女はどこまでも私たちのことを下に見ていたってことね。まったく、美人は性格が悪いんだから」


 濡れ衣もいいところの発言に、友奈は気付かれないように鼻で笑う。


 知由はいつだって上から目線で、これくらいなら、まだ性格が悪いとは言えない。


 それすらも知らないのに、偉そうに言っている夏恋がおかしく思えた。


「三崎さん、クールでかっこいいって思ってたのになあ」


 友奈を囲んでいた一人が、悲しそうに零した。


 そして全員、なぜか夏恋の言葉で納得したらしく、解散し始めた。


 友奈は知由の外面に騙されていた子に、同情しながら、その背中を見送る。


「ところで、噂の張本人はお休み?」


 夏恋はまだ友奈の近くにいた。


「みたいですね」


 友奈は、夏恋が苦手だった。


 少しでも早く去ってほしくて、刺激しないように言葉を選ぶ。