探偵少女

「ですよね、朝原さん」


 話を合わせろという雰囲気が漂ってくる。


「あ、ああ……」


 晴真は肯定するが、動揺が見えてしまい、知由が恋人ではないということを信じる声は少なかった。


 蒼空もそれを感じ取ったが、それ以上言うと、嘘だと勘づかれてしまうような気がして、下手に言えない。


「じゃあ、この写真はどういう……」
「私はあれ、カップルの仲良し写真には見えないのよね」


 唐突に現れた声に、全員が驚く。


 援護射撃をしたのは、夢里だ。


 夢里は、全員の挨拶に応えながらスマホを持つスタッフの隣に立つ。


「この写真が撮られた喫茶店、私もよく行くの。朝原くんが来た昨日もいたけど、この子と朝原くんの会話は、カップルとは思えなかったな」


 周りが戸惑っているのを気にせず、話を進めていく。


「ほら、よく見て? 二人、睨み合ってる」


 言われて、写真を覗き込んだ人たちは頷いている。


「二人は昨日が初対面だったし、折が合わなかったのよね?」


 晴真は何度も首を上下に振る。


 ここまで来れば納得する声も多く、晴真はようやく質問攻めから解放された。


「夢郷さん、助かりました」
「私は見たことを言っただけだから」