探偵少女

 晴真から表情が消える。


 蒼空は冗談めかして言っているが、それこそが、晴真のストーカーがしていることだった。


「今回の写真は、そのストーカーが撮ったものでしょうね。あのお店の人は、あんな写真撮りませんから」
「どうして言い切れるんですか?」


 晴真は、知由や夢里と言い合いをしているときに、スマホを向けようとしている人がいたことを、見逃していなかった。


「Aliceに来る人のほとんどは、知由さまに依頼をし、助けてもらった人ばかりです。新規のお客様も、その紹介で来ることが多い。だから、絶対に知由さまが嫌がることはしないんですよ」


 それでも、晴真は店の誰かが写真を撮り、拡散した可能性を捨てきれなかった。


「まあ、その特定は知由さまに任せていたらいいんです。朝原さんはご自分のお仕事に集中されてください」


 晴真にはまだ言いたいことがあったが、車が停ったことで、現場に着いたのがわかる。


「町田さんは、俺の事務所の新人で、勉強を兼ねて見学に来ている、という設定でしたっけ?」
「はい。あとは勝手に行動するので、気にせず、いつも通りにしててください」


 蒼空が言うと、晴真は車を降りる。


「まあ、大人しくしているのはマスコミだけで、他の人がほっといてくれるわけないんだけど」