探偵少女

 周りに人がいる状況で話すのは躊躇いがあったが、自分から切り出した手前、話せないとは言えなかった。


「俺、よくNGを出して、撮影を止めてしまうんです。今日だって、それで皆さんに迷惑をかけて……」
「ちょっと待って」


 深刻そうに相談を始める晴真を、夢里は止める。


 話を遮られると思っていなかったため、晴真は首を傾げる。


「もしかして、今ここで、演技論を話せって言ってる?」


 晴真は数秒考える。


「そういうことになりますね」
「絶対イヤ」


 心底嫌そうに言うから、周りで見ている雪兎と友奈は声を殺して笑う。


 晴真はというと、瞬殺だったがために、落ち込んでいる。


「違うの、言いたくないとか、そういうわけじゃなくて、ただ、ここで話すのはちょっと……現場とかで、またゆっくり話そう?」


 晴真の落ち込みように、夢里は若干焦り、子供を諭すように言う。


「わかりました。まあ、俺としても、人気だと言ってくれた人の前で話したくないなって思ってたんで」


 晴真が言っているのが自分のことだとわかり、友奈は邪魔をしてしまったような気になった。


 かといって謝るのも違うような気がして、苦笑いを返した。


「朝原さん、相談はそれだけですか?」