「あー、莉久のこと?莉久はね、私の命の恩人なの。
中学の時、他校の不良に絡まれてたんだけど、莉久が学校を早退して不良に絡まれてる私を助けてくれたの。
それとね、莉久とは幼なじみなんだ。
家が隣同士で、どこ行くのも二人一緒だったの。ふふっ、莉久のはなしはものすごく照れちゃうな。えへへ」

実玖ちゃんは少し照れながらも相河くんとの話をしてくれた

「そうだったんだ。いい人だね。私、少し相河くんは怖い人だと思ってたんだけど、私が落としたキーホルダーをちゃんと拾ってくれて届けてくれて。私ちょっと見直したよ」

「ふふっ、莉久はね、不器用なだけで本当はものすごく優しいんだよ。
私の推測なんだけど、麗奈ちゃんのことは心開いてくれてるよ。
拾って届けてくれた以外にも少し話したんでしょ?
莉久はね、心開いてる人以外には、冷たいんだ。
でもそのうちみんなとも仲良くなれるよ。
実玖も仲良くなりたいなー」

そうだったんだ

私たちがただ、壁を作ってただけだったんだ