「よかったー!話に夢中になってて落としたこと全然気が付かなかった」

「良かった。持ち主が……あ、えっと。名前なんだっけ?俺、物覚え悪いから」

相河くんは、そっぽを向いたまま頭を掻いている

「あ、小さい鳥と遊ぶで小鳥遊。小鳥遊 麗奈って言います。よろしくね?相河くん」

「あ、なんで俺の名前」

私が名前を呼ぶと相河くんは驚いた顔をした

「あー、割とクラスの子の名前覚えるの得意なんだ。じゃあ、ありがとね。キーホルダー。今度こそ落とさないようにするよ」

私は笑顔で相河くんに手を振ると、みゆたちの元へ走り出した

「もうー、何話してたの〜?てか良い奴じゃん、相河くん」

「うん、相河くんが私のキーホルダーを拾って届けてくれたんだ」

私は左手に握られているキーホルダーに目を通した

少し振ったら鈴がチリンチリンと音が鳴った